思い出の絵本-あすはきっと
引越し後の断捨離で本を減らしたいと思い、何度も本棚をチェックしているのですが、なかなか捨てられない・・
むしろ、懐かしい本を読みこんでしまって時間が経つばかりです。
特に絵本は、1冊1冊に思い出があって捨てがたい!
この本の思い出。
娘が7歳のとき、海外駐在でイギリスに引越しました。
夏休みになってすぐに越したので、長い夏休みを遊び相手もなく過ごすことになり、
退屈するだろうと、父親が、現地の子供用アートスクールの1週間クラスを申し込みました。
日本の友達と別れて寂しかった娘は、同年代の子たちと会えるのが嬉しかったようで、初日、はりきって出かけました。
夕方、終了時間に迎えに行き、なんだかぼんやりした表情の娘に
「どうだった?」と聞くと「楽しかった」と答えたものの、ずっと茫然とした表情。
家に着いたら、いつもいる居間ではなく、寝室に入って出てこないので、見に行くと、
やっぱり茫然と鏡台の鏡の前に座っています。
「どうしたの?」と聞くと、突然表情が崩れ、うわーっと号泣。
泣いて泣いて、しばらく泣き続けました。
落ち着いてから聞くと、先生の言っていることも、周囲の子供たちが言っていることもまったく分からず、周囲の子供たちが何か言ってくるのも、助けてくれているのか、違うよと非難されているのかもわからず、ただただ必死で時間を過ごして来たようです。
終わってしばらくしてから辛さがこみ上げたようで、見ている私も泣きたくなるような号泣ぶりでした。明日はもう行きたくないと泣く娘に、この「あすはきっと」を読み、
何度も「もう1度読んで」とせがまれました。
駐在生活の中で一番辛かった日かもしれません。
娘の人生の中でも、これまでのところ、一番キツかった日かもしれません。
もうかなり昔になりましたが、絵本を読み返して、鮮やかに記憶が蘇ったのでした。